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京都市バスの今年度の除籍車両を予想してみた

去る10月4日、京都市バスの2021(R3)年度の新車の落札業者が決定しました。いずれもノンステップバスで、大型その1(21台)と中型(16台)をいすゞが、大型その2(5台)を三菱ふそうが落札しました。

 

新車の導入に伴い除籍となる車両の数については現時点で不明ですが、昨年に続いてコロナ禍による利用客数の減少が続いていることから、新車と同数あるいはそれ以上の台数が除籍になることが予想されます。

 

例年の傾向や現時点で判明している情報を元に、除籍台数は新車と同数と仮定して除籍車両を予想してみました。

 

※あくまで個人的な予想です。実際の車両動向と異なりましても、一切の責任は取れません。参考程度に読んでいただけますと幸いです。

 

 

 

 

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上表は、営業所・年式別の配置台数の内訳を表しています。

 

京都市バスに在籍する車両で最も古いのは2004(H16)年式の車両で、来年に車両更新期間の18年に到達します。この年式の大型車は昨年度末(今年1~3月)にも置き換えが進んでおり、残存するのはブルシチ(型式: KL-HU2PMEE)や日デUA(型式: KL-UA272KAM改)の12台です。この12台は今年度の除籍対象車になることは確実です。一方でこの年式の中型車は、MKバスから移籍したエアロミディ(型式: KK-MJ27HL)の20台が在籍していますが、このグループはまだ1台も除籍が出ていません。しかしこちらも来年で製造から18年となることから置き換え対象になることは確実です。ただ、このグループが20台の在籍に対し、中型車の新車16台となっていることから、4台が残存する計算となります。このグループを大型車で置き換える可能性も否定できませんが、コロナ禍の利用客数減少を考えると、可能性はあまり高くないと思われます。よってこのグループは今年度で全廃とはならないと思われます。

 

2004(H16)年式の大型車と共に除籍が確実視されるのが、2008(H20)年式のCNG車です。CNG車は例年15年で車両更新となっているため、同年式のCNGエルガ(型式: PDG-LV234N2改)3台は今年度末の除籍が確実視されます。

 

2005(H17)年式は、大型車40台と中型車16台が在籍しています。中型車の置き換えは2004(H16)年式で完結する見込みであることから、この年式での除籍は大型車のみと考えられます。新車と同数が除籍になると仮定するなら、大型車新車(26台)-前述の除籍確実車(15台)=11台がこのグループから除籍となる計算です。除籍が濃厚とみられるのは、昨年度末に除籍が発生しているエルガ(型式: KL-LV280N1改)です。このグループは18台が導入されましたが、昨年度末に9台が除籍となっております。現存するのは9台についても、今年度末の置き換えの対象となる可能性は濃厚かと思われます。

 

残る2台についてですが、ここが一番予想しづらいところとなります。想定されるケースは以下の2つだと思われます。1つ目は、2005(H17)年式のブルシチ(型式: KL-HU2PMEE)からの除籍というケースです。このグループは過去に除籍は発生しておりませんが、除籍となる残りの2台が大型車だと仮定すると、消去法でこのグループが一番古い車両となります。もう一つは、2004(H16)年式の元MK車からさらに2台除籍となり、この2台は大型車での代替というケースです。前述の通りコロナ禍の利用客減少により中型車→大型車の置き換えの可能性はあまり高くありませんが、年式の古い車両を優先して置き換えるならばあり得なくも無いと思います。

 

以上の除籍予想車両を表にまとめると、上図のようになります。

 

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横大路は除籍対象車両が多く、かなり車両の入れ替えが行われることが予想されます。一方で錦林京都・九条分所・洛西近鉄は2006(H18)年式以降の車両しか在籍していないため、車両の入れ替えはかなり限定的だと思われます。

 

除籍対象車両の予想と例年の新車の投入傾向から、各営業所の車両動向の予想をした表にまとめてみました。

 

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入札公告では、「大型車その2」(三菱ふそう)は烏丸に、「大型車その1」は烏丸以外の投入となっていますが、昨年度と一昨年度は洛西・横大路営業所に大型車の新車の導入はなく、今年度もそれを踏襲されるのではないかと思われます。また、錦林出張所も除籍対象車両が無いことから、新車の配置が無い可能性もあります。仮に錦林出張所と洛西・横大路営業所に大型車の新車の配置がないとすると、「大型車その2」が烏丸営業所に5台配置されるのは確定で、「大型車その1」は西賀茂・梅津・九条営業所に6~8台の配置となると思われます。もし錦林出張所に新車の配置がある場合は、1~2台の配置になると思われます。

 

中型車の新車に関しては、昨年度は烏丸・梅津・洛西・横大路営業所にそれぞれ配置されましたが、洛西営業所は昨年度で古参中型車が一掃されたことから今回の新車投入は無く、今年度は烏丸・梅津・横大路の3営業所への投入と考えられます。

 

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【西賀茂】新車は7台程度の投入と予想しています。除籍車両は最古参の2004(H16)年式のブルシチ3台(725, 726, 727)は確実で、プラスで2005(H17)年式のブルシチ(800~900代)から2台程度の除籍があるのではないかと思います。このグループは烏丸にも配置があるので、西賀茂ではなく烏丸から除籍車両が出る可能性もあります。さらにこのグループから転属する車両が2台程度発生し、横大路の古参車の置き換えに充当されることも考えられます。直営のブルシチが洛西・横大路への転属は近年見られる傾向で、2005(H17年式)のブルシチでも同様の転属があるかもしれません。

 

【烏丸】新車は大型車5台と中型車2台の投入と予想しています。大型車の置き換え対象は、除籍が確実な2004(H16)年式の3台(700, 703, 729)と、プラスで2005(H17)年式のブルシチ(800~900代)か2台程度の除籍か転属が出る可能性があります。前述の通り、このグループの除籍は西賀茂・烏丸に配置されているので、西賀茂の車両動向との兼ね合いで動向が変わると思われます。また、烏丸の中型車は現在5台配置で一昨年度までは2005(H17)年式のエルガミオで統一されていましたが、昨年度に3台が新車投入の玉突きで横大路阪急に転出しています。今年度も新車2台の投入で既存の2台(940, 941)が横大路阪急に転出され、烏丸の中型車は現行エルガミオ(LR290系)に統一されるのではないかと思います。

 

【錦林京都】上表では特に車両の動きがないと予想しています。理由としては、除籍対象車両が無いことが主因ですが、広告ラッピング車両の割合が多く既存車両の転出が容易でないことも挙げられます。もし新車投入が1~2台程度があるなら、2006(H18)~2009(H21)年式から洛西近鉄・横大路阪急への転属、LV290系の横大路阪急への転属があるものと考えられます。

 

【梅津】新車は大型車6台と中型車7台程度と予想しています。大型車の置き換え対象は、除籍が濃厚な6台(880, 937, 957, 1799, 1800, 1801)で、これを新車で直接置き換える形となる見込みです。中型車は、昨年度に新車が梅津に投入され2005(H17)年式のエルガミオ900代)が玉突きで横大路阪急に転属していますが、今年度も同様の玉突き転属があると考えられます。これによって梅津の中型車は現行エルガミオ(LR290系)に統一される可能性が高いと思われます。

 

【梅津JR】新車は大型車2台と予想しております。置き換え対象は、除籍が濃厚な2005(H17)年式の2台(955, 956)で、新車で直接置き換えられるものと考えられます。

 

【九条(本所・分所)】新車は大型車6台程度の投入と予想されます。置き換え対象は除籍が濃厚な2005(H17)年式の4台(867, 877, 937, 957)と、プラス2台程度の玉突き転属が予想されます。玉突き転属に関しては、昨年度にLV290系が九条→横大路阪急に転属する例や、RA/AA系が九条→洛西近鉄に転属しその玉突きでLV290系が洛西近鉄→横大路阪急に転属する例が発生しています。今年度に関しても同様の転属が発生するのではないかと思われます。

 

【洛西近鉄上表では、除籍対象車両がないことから特に車両の動きはないとしました。ただ、玉突き転属の流れに洛西近鉄が組み込まれる可能性は十分にあるかと思います。昨年の例として、九条営業所への新車投入により、RA/AA系が九条→洛西近鉄に転属し、その玉突きでLV290系が洛西近鉄→横大路阪急に転属する例が発生しておりますが、今年度も同様の転属があるかもしれません。

 

【横大路(阪急・MK)】新車の投入は中型車のみで、7台程度の新車が予想されます。横大路営業所は最古参となる元MKバスのエアロミディが20台在籍しており、このうち16台程度が除籍されることが見込まれますが、このうち7台程度が新車投入による直接の置き換えで、残りが烏丸・梅津の新車投入で玉突き転属する2005(H17)年式のエルガミオによる置き換えかと思われます。大型車に関しては除籍が確実な6台(694, 695, 698, 701, 702, 728)がありますが、近年の傾向を踏襲して横大路営業所への新車投入は無く、他の営業所からの転入車で置き換えるものと思われます。

 

 

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以上長々と記してきましたが、要点をまとめますと、

 

・2004(H16)年式の大型車は全廃が確実

・元MK車も大多数除籍も若干残る?

・2005(H17)年式エルガも全廃危機

・2005(H17)年式ブルシチも除籍あるかも

・2008(H20)年式のCNGエルガもお忘れなく

・先代エルガミオは横大路阪急集約か

 

といった具合です。年度末の車両動向で見られなくなる光景もいくつかあると思いますので、記録はお早めに。この記事が参考になれば幸いです。